ニュースリリース

震災後2カ月、被災地域の職場におけるメンタルヘルス研修アンケート速報

~ 「心理的応急処置」による介入がストレス軽減に効果 ~

 

   メンタルヘルスサービスを提供するピースマインド・イープ株式会社(東京都中央区、代表取締役社長:荻原国啓、以下ピースマインド・イープ)の調査・研究機関「国際EAP研究センター(センター長:市川佳居)」は、被災地にある複数の企業で心理的応急処置(PFA)※1に基づく集団心理教育※2を行い、参加者を対象としたアンケート調査を実施しました。結果概要は次のとおりです。

※1 心理的応急処置(PFA;サイコロジカル・ファーストエイド)とは、災害やテロにあった人やその支援者に対するサポートのために考案された心理的支援の介入方法。
※2 集団心理教育とは、従業員(集団)に対して、震災後のさまざまなストレス反応と具体的な対処に関するアドバイスを行うこと。

■ 目的
 東日本大震災は、被災地である東北地方の住民はもとより、東京を含む多くの地域の住民に心理的、精神的影響を与えました。職場においても、従業員が受けた影響は大きく、様々な企業が産業保健スタッフを中心にして予防的介入を行っていますが、今回の災害は、地震、津波、原発事故の3災害が同時に起こったという前例がないものであり、適切なこころのケアの介入方法についても開発されている段階です。
 本研究では、被災地の複数の職場において、心理的応急処置(PFA)の手法を用いた集団心理教育を行い、その効果を検証しました。

■ 対象と方法
 2011年3月28日から5月19日までに9企業、13事業所で18回の集団心理教育を行い、参加した合計382名の従業員のうち、アンケートに回答のあった183名(7事業所)の結果を分析しました。

■ 結果 ~ 72.1%が「心理教育受講で、現状により良く対処する自信がもてるようになった」
 72.1%(132名)の参加者が「今回の教育を受けたことで現状により良く対処する自信がもてるようになったと思う。」、66.1%(121名)の参加者が「今回の教育を受けたことにより気分が軽くなった。」と回答しています。また、心理教育の内容のうち最も役立ったのは、「他の参加者とのシェアリング、話し合いの場がもてたこと」、次に「グリーフ(喪のプロセス)について学べたこと」と回答しています。

■ 考察 ~ 「心理的応急処置」に基づく心理教育により気分の向上やストレス対処能力の向上効果
 心理的応急処置(PFA)では、参加者の自発的参加を重視し、無理に発言をさせない形でグループ・シェアリングを行います。この方法は、今回の被災者である社員の心理教育として、受け入れられやすいことが確認されました。また、心理的応急処置(PFA)に基づく心理教育により、気分の向上やストレス対処能力の向上がもたらされることが示唆されました。

 今後も、ピースマインド・イープおよび国際EAP研究センターでは、最新の効果のある心理的援助技術の研究・開発に努めるとともに、震災後の経過に応じた復興支援活動を継続していく予定です。


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