ニュースリリース

海外赴任者の潜在課題に心理的サポート求められる

~ グローバル人事担当者への実態アンケート調査~

 

 EAP(従業員支援プログラム)を提供するピースマインド・イープ株式会社(以下、ピースマインド・イープ)の調査・研究機関である国際EAP研究センターでは、昨今の人材グローバル化の広まりを受けて、人事担当者を対象に海外赴任者の人材支援についての調査を実施しましたのでご報告いたします。

 

■ 調査結果のポイント

1. 駐在中に赴任者に生じる問題のトップは「異文化・生活習慣」
 「海外赴任者の駐在中に、どのような問題が多く見られますか?(3位までの複数回答)」の設問において、1位回答のうち最多となったのは「異文化・生活習慣」、次いで2位は「語学力」、そして3位が「精神的な健康」でした。また、リスク管理の不十分さを挙げる自由記述回答も見られました。
2. 現地外国人との問題、日本国内とは異なる日本人同士の問題 
 「駐在中は、どの関係にコミュニケーション上の問題が生じやすいですか?(3位までの複数回答)」の設問において、1位回答のうち最多となったのは.「職場内の現地外国人との関係」、2位は「職場外の現地外国人との関係」が含まれ、3位が「職場内の日本人駐在員との関係」となりました。
3. 派遣前教育・事前確認ともに、メンタルヘルスは後回し
 「派遣前の海外赴任者に、どのような教育をおこなっていますか?(複数回答可)」の設問において、回答数が多かったのは「語学教育」「リスク管理教育」「異文化・ダイバーシティ教育」の順でした。「ストレスマネジメント教育」は4位であり、「語学教育」の3分の1の実施率でした。
 また「派遣前の海外赴任者に、どのような事前確認をおこなっていますか?(複数回答可)」の設問において、回答数が多かったのは「健康診断」「語学能力」「日本の家族状況(親の介護など)」の順であり、「心理面の適性検査」は4位でした。

 

■ 調査結果のポイント

 今回の調査では、駐在中、赴任者に第一に起こりやすい問題として「異文化・生活習慣」が挙がりました。これについては、想像がつきやすい結果であったと思われます。しかし、第一の問題としてではないにせよ、次いで「精神的な健康」を多く挙げていたことは注目すべきポイントです。
 異文化・生活習慣の課題に対する対処として、「語学教育」「リスク管理教育」「異文化・ダイバーシティ教育」といった研修を行っている企業が多かったのに対し、精神の健康に関する事前フォローとして「心理面の適性検査」などを行っている企業は多くありませんでした。様々な問題が生じる一方で、特にメンタルヘルスに関する事前教育や確認は十分ではないことが明らかとなりました。企業(本社)側には、赴任者への事前のアセスメントと、それに基づいたアドバイスや教育内容を整備することで、駐在中や帰国後の問題を軽減できる可能性も考えられます。企業の生産性向上という視点からも、海外赴任者の精神面のサポートについて、制度化する取組みが望まれます。

 

● 参考URL:
・ グローバル人材アシスタンス http://www.peacemind-jeap.co.jp/services/ea/global_hr

 

 

■ 海外の日本人赴任者の実情について ~小川原 純子医師より~

 2001年4月から2011年3月までシンガポール日本人会クリニック(財団法人 海外邦人医療基金)において、近隣アジア諸国で唯一の日本人心療内科医として在外邦人のメンタルケアに従事された、日本人海外赴任者の事情に詳しい小川原純子医師は、本調査結果について以下の通りコメントをしています。

 

「在外勤務においては、現地外国人との間に起こる意思疎通、ならびに慣習や行動様式の違い等から生じる異文化適応の問題が注目されやすいが、実際には、現地赴任者同士の対人関係や本社と現地の意識の違いなどが生み出す心理的葛藤も大きな問題である。問題が顕在化してから、海外赴任者を急遽帰国させる事態を考えると、メンタルヘルスに関して事前のアセスメントとアドバイスまた、赴任中のフォローを十分に行う意義は大きい。クリニック(シンガポール)では赴任者の配偶者や子女のメンタル面での相談も相当数あり、帯同家族への事前教育や赴任中のサポートが効果的である。メンタル教育を通して、会社全体がストレスの共有理解を持つことは、海外赴任者の孤立を防ぐことになり、仕事の充実・成果の向上にも繋がっていくであろう。」

 

 ピースマインド・イープでは本調査の結果を踏まえ、海外赴任者とその帯同家族および企業人事に対して、海外赴任を支援するプログラムを開発し、提供してまいります。

 


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