ニュースリリース

従業員相談で見えたリスク、1位自殺、2位ハラスメント、3位精神的健康

~ 自殺リスク該当の相談2/3が休職・復職やハラスメント等、職場に関する相談という結果に ~

 

 EAP(従業員支援プログラム)サービスを提供するピースマインド・イープ株式会社(以下、ピースマインド・イープ)の調査・研究機関である国際EAP研究センターでは、2012年4月から9月のEAPサービス導入団体の従業員相談対応における、リスクの状況を分析しましたのでご報告いたします。

 

■ 調査結果のポイント

1. EAP相談において「リスクあり」は約8%。1位は「自殺」、2位は「ハラスメント」
 ピースマインド・イープではすべての相談ケースについて、人命、メンタルヘルス上の観点からリスクスクリーニング(※①)を行っています。なんらかのリスクに該当したケースは全体の約8%でした。その内リスクの種別では、自殺念慮のリスクが最も多く55%、続いてハラスメントが39%と高い数値を示しました(図1)。また、自殺念慮のリスクに該当したケースは全EAP相談ケース中約4%あり(図2)、25件に1件の割合で自殺に関するリスクが生じていると分かりました。
2. 自殺リスクのある相談のうち、職場に関する相談が3分の2におよぶ
 自殺リスクに該当した相談の分類を見ると、職場に関する相談が3分の2を占め、プライベートに関する相談よりも圧倒的に多いことが分かりました(図3)。職場の相談内容には、休職・復職やハラスメント、組織の問題、仕事の問題といった内容を含み、職場にとっては労災リスクを伴う内容と言えます。また、自殺リスクに該当した相談の3割が他のリスクも併存しており、その半数以上がハラスメントリスクとの併存でした。(図4)
3.「カウンセリング利用」と「主治医や職場関係者との継続的な連携」が自殺リスク低下に効果
 リスクの低下が確認された個々の相談ケース(※②)の詳細を見ていくと、カウンセリングによるサポート以外にもフォローアップ(※③)を行っており、そのうち約90%が複数回のコンタクトを行っていました。つまり自殺リスクの低減には、継続的なフォローアップや、積極的できめ細やかな職場との連携が必要であることが示唆されました。

※①ピースマインド・イープでは独自の専門的基準・分類により、リスク判定(高リスク・中リスク・リスクなし)を行っています。リスクの種類は:自殺、ハラスメント、精神的健康、他害・DV、アルコール等の依存、虐待に繋がる等のリスクを指します。
※②リスク判定レベルが「高」から「中」「リスクなし」または「中」から「リスクなし」に変化した相談を指します。
※③フォローアップとはカウンセリング後にご本人の状況を電話やメールで確認すること、ご本人の許可を得て主治医や職場の関係者と連携することを指します。

 

■ 調査結果のまとめ ~働く人の自殺リスク早期発見・介入に外部EAPが寄与~

 1月17日警察庁発表の速報値によると2012年の全国の自殺者数は、2万7766人となり、1997年以来15年ぶりに3万人を下回ったことがわかりました。3年連続の減少傾向にあるものの、WHOの発表(2011年)によれば、日本人男性は世界で11位、女性は5位と世界的に見ても高い自殺率となっています。
 職場の自殺リスクは早期発見、早期介入がポイントです。[結果2]のとおり、働く人の自殺リスクの背景には職場に関する悩みが多く存在しており、さらに他のリスクが併存しているケースもあることから、職場の関係者との密な連携をもって問題解決に取り組む仕組みが必要と考えられます。職場での自殺予防を成功させるには秘密を守られる相談体制が条件の一つであり、内部だけでなく外部EAPの活用も方法の一つと言われています1)。単なるメンタルヘルス対策としてだけではなく、リスク管理の観点からも外部EAPの活用が重要と考えられます。
 ピースマインド・イープでは引き続き、自殺予防に力を入れ、多くの働く人が健康でいきいきと暮らし、仕事に貢献できるように支援していきます。

 

【調査実施期間、方法など】
2012年4月~9月にカウンセリングやフォローアップ(メール、電話等)を行った相談ケースの内1,139ケースを分析

 

(参考文献)
1)川上憲人「事業場向け自殺防止マニュアル」、2005年


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